北朝鮮空軍

 北朝鮮空軍の主要任務は、本土の防空である。二義的な任務は、地上軍及び海軍に対する戦術航空支援、輸送及び兵站支援、並びに特殊作戦部隊の浸透を含む。

 戦闘機、地上攻撃機、輸送機、攻撃ヘリ、及び輸送ヘリ連隊は、730機以上の軍用機、約300機のヘリ、及び兵員92,000人から編成される。北朝鮮の空軍基地は国中に位置するが、大多数は南部地域に存在する。平壌は、強化シェルターに軍用機を防護する能力を有する。

 北朝鮮は、航空機を自主生産していない。その航空機保有量は、巨大である関わらず、1950年代及び1960年代に旧ソ連又は中国の技術を使用して製造された多くの航空機から成る。しかしながら、1980年代、旧ソ連は、いくつかのより近代的な、全天候防空及び地上攻撃機を供給した。

 戦闘機は、地対空ミサイル並びに膨大な機動及び固定高射砲も含む北朝鮮の防空網の不可欠な一部である。戦闘機は、北朝鮮の海岸線、軍事施設、及び重要都市地域を防護するために、戦闘空中警戒任務を行う。MiG-23/フロッガー及びMiG-29/フルクラムは、保有機の中で最も近代的な戦闘機である。しかしながら、航空戦力の主力は、MiG-21/フィッシュベッドのままである。北朝鮮は、120機のMiG-21と100機以上のMiG-19ファーマーを保有する。MiG-21は、23-mm連装機関砲及びAA-2/アトール赤外線追尾空対空ミサイルを有する。北朝鮮の防空能力は、ソ連が46機のMiG-23フロッガー戦闘機の1番機を供給し始めた1984年に改善された。この全天候戦闘機は、AA-2/アトール又はAA-8/アフィッド及び長射程のAA-7/アペックス・ミサイルを搭載できる。1988年にMiG-29/フルクラムが到着するまで、フロッガーは、北朝鮮の最も近代的な航空機であった。全天候型防空戦闘機であるフルクラムは、1985年に旧ソ連で実戦配備された。ルックダウン、シュートダウン、視界外射程空対空ミサイル、及び近接空中戦ミサイルを装備し、より近代的なCFCの戦闘機に対抗できる最良の機体である。

 ほとんどの地上攻撃連隊は、1950年代及び1960年代の技術であるロシア及び中国製の軽爆撃機と戦闘機を保有する。北朝鮮空軍は、Il-28/ビーグル3個連隊、Su-7/フィッター1個連隊、MiG-15/ファゴット及びMiG-17/フレスコ5個連隊、並びにMiG-19/ファーマー2個連隊を有する。82機のビーグルは、1,000 kmの行動半径と960 kgの爆弾搭載量を有する中距離爆撃機である。その他の攻撃機は、地上攻撃用に改修された約100機のファーマーと中国版のファーマーを含む。これらの旧式機は、昼間かつ良好な天候においてのみ運用でき、小型爆弾を搭載できるだけである。北朝鮮空軍は又、20機の1961年生産のSu-7/フィッター地上攻撃戦闘機も有する。

 北朝鮮空軍は、Su-25/フロッグフットを旧ソ連から輸入することによりその地上攻撃能力を改善した。取引は、1988年に始まり、現在約36機に達している。Su-25は、1970年代後半の飛行機で、570 kmの戦闘行動半径を有し、3,800 kgの爆弾及びロケットを運搬できる。奇襲攻撃の初期段階において、Su-25の標的と思われるものは、飛行場、地対地ミサイル基地、本部、及びその他の臨機軍事目標である。

 1980年代、北朝鮮空軍は、そのヘリ機数を40から275機とかなり増大させた。実戦配備中のヘリは、Mi-2/ホップ・ライト、Mi-4/ハウンド、及びMi-8/ヒップを含む。1985年、北朝鮮は、87機の米国製ヒューズ・ヘリを購入し、米国の輸出統制を出し抜いた。これらのヘリは、ロシアから受け取ったものよりもかなり進歩している。北朝鮮は民間型を有するが、彼らは、恐らく、機関銃とロケットを運搬するためにそのいくつかを改修しているであろう。韓国がその軍用に同種のヘリを生産しているため、北朝鮮は、特殊作戦部隊の作戦間のCFCの防空を混乱させるために、類似した韓国のものにそのヒューズ・ヘリを改修することができる。

 輸送航空隊は、270機以上のAn-2/コルト軽輸送機と10機のAn-24/コークを含む1950年代及び1960年代生産の旧ソ連の輸送機を有する。コルトの短距離、荒れ地離着陸能力は、特殊作戦部隊を輸送する任務に特に適している。それは、10人の戦闘員を乗せ、1時間に160 km飛行する。北朝鮮空軍は、少なくとも6個コルト連隊と少なくとも6個攻撃及び輸送ヘリ連隊を有する。

 北朝鮮の作戦思想は、ロシアのドクトリンと北朝鮮の朝鮮戦争中の国連の重爆撃の経験を共に反映している。北朝鮮は、防空にかなり依存している。北朝鮮は、その軍事産業、航空機格納庫、修理施設、弾薬、燃料集積所、そして対空ミサイルですら地下又は強化陣地に収容している。

 北朝鮮は、8,800門以上の高射砲と、SA-2、SA-3、及びSA-5、並びに携帯式SA-7及びSA-16地対空ミサイルを組合せ、世界で最も濃密な防空網の1つを建設している。1980年代中盤、旧ソ連は、北朝鮮にSA-3/ゴア地対空ミサイルを供給した。SA-3は、低空飛行する航空機に対する短射程防御を提供する。1987年、旧ソ連は、平壌に長射程、高高度地対空ミサイル能力を与えるSA-5/ガモン地対空ミサイルを供給した。

 SA-2ガイドライン・システムは、都市及び軍用飛行場のための中射程、中高度拠点防御、並びにDMZに沿った防空バリアーを提供する。SA-2及びSA-3大隊は、沿岸地帯に沿って集中しており、SA-5ガモン大隊は、DMZの近くに位置し、平壌以北に展開している。

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最終更新日:2003/05/21

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